農福連携のはじめかた
/// 導入をご検討中の方 ///
未来の農福連携に向けて
農福連携とは、障がいを持つ方が農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいをもって社会参画をしていく取り組みです。
昨今の農業の担い手不足の解消にも有効で近年注目が集まっています。
障がいのある方が農作業に携わる取り組み自体は、『農福連携』という言葉が生まれる前から行われていましたが、それらは農業者の一部が個人的に行っていたようです。その後、2010年に鳥取県庁が農業者と障害福祉サービス事業所のマッチングをする農福連携モデル事業を行うようになったのが一つの大きなきっかけとなりました。
農福連携をはじめる2ステップ
現在、農福連携として多様な取り組みが全国で行われています。
こうでなければならないという明確な定義自体はありませんが、様々な人達の手助けやサポートも必要になってくるため、予算があればスタートできるということでもありません。
これから農福連携を検討しているなら、まずはこの2つのステップからイメージしてみてください。
自社の状況を考えてみる
まずは、どの位の規模感でどんな農福連携に取り組みたいのか考えてみましょう。
考えるポイントになるのは栽培に使用できるスペースをどの程度確保できるかということと、利用者さんがどのくらい集まりそうかという点です。
検討項目
・栽培スペースとして使える場所はどのくらいあるか（坪／平米）
・何株くらい栽培したいか
・何名くらいの利用者さんの作業量がほしいのか
導入に向けて
具体的な準備を検討する
ある程度規模感のイメージがついたら、実際に導入に向けて必要な資料や情報、データを集める段階に進みます。
検討項目
・栽培装置設置に必要な建物の仕様と生産に必要な資材の選定
→ノウフク道では、使用可能なスペースと希望される生産量をお聞きした上で、成電工業が具体的な提案をいたします。その内容をご理解、ご了承いただけたあと、地元の工務店などと打合せを実施し設計に入ります。
- 1. 建屋設計 （一例）
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・床材仕様（防水）
・壁仕様（防水・滑り止め）
・電気仕様（装置電気容量・コンセント・エアコン等）
・給水仕様（装置用給水・シンク用給水）
・排水仕様（装置用排水・シンク用排水）
・人物動線仕様
・製品動線仕様
- 2. 建屋資材選定（一例）
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・作業台仕様……作業スペース・作業人数によって算出
・シンク仕様……作業スペース・作業人数によって算出
・冷蔵庫仕様……生産量・必要在庫数によって算出
・備品仕様………ハサミやバケツなど成電工業でリスト化されたものを用意、または成電工業より購入
新規参入に必要なこと
就労支援や福祉事業をこれから始める場合、農福連携の前に様々な手続きや準備が必要になります。設立の条件が都道府県によって異なる場合もありますので、詳しくは各自治体や専門窓口に問い合わせることをおすすめします。
- 就労支援A型・B型を開設する場合に必要なもの
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・法人格（株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人、社会福祉法人）
・管理者1名（常勤なし）
・サービス管理責任者（常勤有）1名
・生活支援員1名
・職業支援員1名
・規定を満たした物件、事務所
- 物件や事務所に必要なスペース
- 訓練作業室
- サービス提供に支障のない広さを備える
※各都道府県によって利用者一人当たりの面積が違うので自治体等へ問い合わせてみることをおすすめします
- 相談室
- プライバシーに配慮できる空間にすること
- 多目的室
- 相談室と兼務も可能
- 洗面所・トイレ
- トイレ手洗いと洗面所の兼用は不可
- 事務室
- 鍵付き書庫
導入までの流れ
- お問い合わせ
- お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。
- ヒアリング
- お客さまの構想（希望生産量と使用可能スペースと利用者さんの人数）を教えてください。
- 概算のお見積り
- 内容に納得でき、希望する方にのみ見積書を作成いたします。
- 現地調査
- ご希望の方へ、実地調査に訪問（半日）。
- ご契約
- 正式な提案書をお渡しして納得いただけたらご契約となります。
- 建設・リフォーム
- 建物の建設、リフォームをいたします。
- 研修
- システムを納品する前に成電工業にご来社いただき、2〜3日程度の研修を行います。
- システム納入・現地研修（生産開始と同時）
- 生産の各工程に切り替わるタイミングでご訪問し、現地研修（のべ５日間）を行います。
野菜販売のためのアドバイス
地域で販売する、施設で販売する、ビラを配って直売会
野菜工場をはじめる際に多くの事業者さまが不安に感じられることの一つが、野菜の販売ルートです。
弊社からもサポートはいたしますが、基本的にはお客さま自身での直販、卸販売先を見つけることをお願いしております。バイヤーさまから直接問い合わせが弊社に来ることもあり、その際は近隣の事業所さまなど状況に合わせてお客さまをご紹介させていただいています。
私たちとお取引をされる福祉関連事業者さまのほとんどが、営業が得意ではない、自社には営業スタッフはいないという状況ですが、実際にやってみると大手小売店やレストラン、近隣の道の駅など卸先さまを獲得できています。
営業って何からはじめていいの？と思う方は下記のステップからはじめてみてはいかがでしょうか？
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色んな人に声をかける
まずは、自分たちが野菜工場を始めることになった、生産した野菜を販売できる先を探していることをたくさんの人に伝えることからはじめましょう。飲食店や小売店と業種を絞るのではなく、行政やお世話になる金融機関、取引業者の方など幅広く伝えることで紹介してもらえる確率も上がります。
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サンプルを配る
色んな人に声をかけていると、飲食関係の方やバイヤーさんとつながることができるかもしれません。また、関係者でなくとも野菜に興味を持ってくれる方が現れるかもしれません。そのような方々にはサンプルとなる野菜をお渡しして実際に味わってもらうことをおすすめします。美味しいと思っていただけたら注文につながる可能性も高まります！
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アポイントを取って訪問する
時間を調整して、営業訪問をする際のポイントは、相手にとってのメリットを示すことです。例えば、えぐみが少ないので野菜嫌いのお子さまが食べやすいとか、衛生管理のされた環境で栽培しているから洗わずに使えて時短になる、料理の味を引き立てるなど。考えるのが難しければ、お気軽にお尋ねください。
他にも、希望販売価格について考えておくとスムーズに商談が進みます！
販売先の開拓はちょっとハードルの高いかもしれませんが、いざやってみると、今までつながりのなかった業界の人と繋がったり、ひょんなことから注文をもらえたりと嬉しいことがたくさんあります。断られることもあるかもしれませんが、タイミングが合わなかっただけかもしれません。商品や御社自身が否定されたわけではないので切り替えて次に進みましょう。
/// 利用者さんについて ///
利用者さんの能力を引き出すために
私たちは、利用者さまとのコミュニケーションをうまく図るために「コグトレ」を取り入れています。
生産活動が主体では習得しづらい能力や個々のスキルを引き出すことを目的としています。
また、日々の行動で注意すべき点や、やっていくことなどはすべて利用者さんと話し合いをした上で、全員の意思を尊重し決定しています。
コグトレ
日本COG-TR学会が提唱している学習の土台となる認知機能（記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断）を強化するトレーニングです。
認知作業トレーニング
【COGOT】Cognitive Occupational Training
発達障害や知的障害をもつ人たちの中には、身体的不器用さを併せもつケースがあります。身体をうまく使うためには、協調運動を円滑に行えることに加え適度な固有感覚・筋力調整や注意・集中力、動作の予測や記憶力なども必要です。そこで私たちはそれらの機能に対応させたトレーニングモジュールを組み合わせたのです。
認知機能強化トレーニング
【COGET】Cognitive Enhancement Training
認知機能の強化が学習面で必要と考えるのは、認知機能そのものが学習の土台となっているからと言われています。認知機能には、記憶／知覚／注意／言語理解／判断・推論といった要素が含まれていますが、これらのうち一つでも欠ければ学習や日常生活に支障をきたしやすいでしょう。それぞれの認知機能の要素が強化できるように対応した紙と鉛筆を使ったトレーニングです。
認知ソーシャルトレーニング
【COGST】Cognitive Social Training
社会面で必要な対人スキルや感情統制力、問題解決力の向上を図るトレーニングです。対人マナーを身に着けるコツやテクニックを中心に学校の授業では学べないことをトレーニングしていきます。
/// ノウフク道の強みとは ///
農福連携の課題と、その解決策
農福連携といえば、まだまだ露地栽培の農業をイメージされることが一般的です。
露地栽培の農業は土壌や気温湿度管理など専門性も高く、野菜栽培の経験のない人たちが一から始めるにはハードルが高くうまく行かないケースも多いようです。
でも、植物工場型の農福連携ではこんな露地栽培の課題も対策が可能です！
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天候
課題
天候や気温に左右されて思うように収穫ができない
解決策
温度や湿度を全自動管理して栽培するので、計画的な栽培が可能です。
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身体への負担
課題
腰を曲げたり重いものを持ったり…
身体への負担が大きくすべての利用者さんに作業をお願いできない解決策
バリアフリー化された工場内で、椅子に座って無理のない姿勢での作業が可能。使用するプラントはプラスチックで軽く重たいものを持つなど、身体に負担のある工程は少なくてすみます。
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知識
課題
農業に関する知識がない
解決策
野菜の栽培については、マニュアルも完備されていますし、わからないことは丁寧にサポートするので農業に関する知識や経験がなくても大丈夫！
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マニュアル化
課題
マニュアル化されていない作業が多く、教えるのが難しい
解決策
一つ一つの作業を細分化してマニュアルにまとめ、障がいや特性に合わせて担当業務を決めることが出来ます。また忘れがちな作業や手順を遂行してもらうための工夫のポイントや実際に成功している事例なども共有しながらサポートいたします。
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休日出勤
課題
農繁期は職員さんが休日出勤をして収穫しなければいけない
解決策
計画生産が可能なので、土日祝日などは作業がないようにスケジュールを組むことが可能です。夏休みや年末年始などもしっかりお休みを取ることができます。
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早朝作業
課題
収穫時間帯が朝早い
解決策
露地栽培の葉物野菜の収穫は朝一番という場合も多いそうですが、植物工場型の施設では通常の営業時間内での作業が可能です。