野菜とともに育む福祉の未来 ノウフク道

ノウフク道をはじめた想い

ノウフク道 立ち上げ秘話①

想定外から生まれた新たな役割

ノウフク道は、成電工業が開発した野菜の水耕栽培装置です。
元々レストランや家庭で、葉物野菜を自家栽培することを目的に開発したものだったのですが、実際の問合せや導入のご相談のほとんどが福祉に関わる法人さまからだったのです。
私たち成電工業は、制御盤の設計や制作、半導体製品の開発や加工を主軸とした事業運営を行っています。そのため、当時は福祉分野に関する見識がなく、水耕栽培装置と福祉が繋がらず、導入頂いた福祉施設のお客さまへ聞き取りを重ねました。
その結果、ほとんどのお客さまが「障害者福祉と野菜工場は非常に相性がいい」と口をそろえて仰っていたのです。

ノウフク道 立ち上げ秘話②

日本の農業や福祉がおかれている現実

現在、日本の農業を取り巻く環境は、就労人口の減少や農業従事者の高齢化、労働環境の問題やTTPによる価格競争など、深刻な課題が山積しています。中でも早急な解決が叫ばれるのが人手不足で、その解決策の一つに農福連携という動きがあると言われています。
農福連携という考え方はとっても素晴らしいのですが、現実はそう甘くはありません。
長年の経験が頼りでマニュアル化されていない作業、長時間にわたる重労働、天候や災害、害獣被害…今日の農業は収穫までの間に起こる沢山のリスクに備える必要があります。実際に、農福連携に取り組んでいる方々の中にはこのような課題に悩んでいる沢山の方にお会いしてきました。
そんな中、私達は群馬県高崎市の自治体や福祉事業者、支援学校に直接足を運び、福祉の現場でどんなことが今求められているのかということを調べました。そうすると、求めていることのほとんどがノウフク道の特徴であるということがわかりました。具体的には、作業自体がマニュアル化されていたり天候に左右されることがない点、種を蒔いてから収穫までの時間が一定であることや腰を曲げたり重いものを持つ必要がないことなど。つまり、ノウフク道は働く人に優しい農業環境を自然に整えていたのです。

ノウフク道 立ち上げ秘話③

農業界と福祉業界の課題解決を通じて懸け橋に

農業界にも深刻な問題がある一方で、福祉業界、障がい者を取り巻く環境も就労や賃金問題をはじめ合理的でない対応など深刻な問題が山積しています。
福祉業界の課題の解消にもノウフク道は活用できるのか。私たちは2013年に特定非営利活動法人ソーシャルハウスを立ち上げ、福祉業界の課題解決を模索しています。
利用者さんとのコミュニケーションや仕事の仕方、支払う賃金など日々試行錯誤しながら利用者さんも私たちも幸せになれる方法を模索しています。ノウフク道が農業や福祉業界の課題解決に役立つのであれば、微力ながらも力添えができれば嬉しく思っています。

ノウフク道 立ち上げ秘話④

障がい者とその家族が排除されない社会を目指して

これからの持続可能な社会とは、障がいのある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会ではないかと私たちは考えています。
すべての人々は、等しく社会に参画する権利を持ち、障がいの有無によって不当な差別があってはならない。障がいがある人であっても希望や能力、適性を活かした職に就く権利があります。私たちNPO法人ソーシャルハウスはそんな持続可能な社会を目指して、農業と福祉の未来のために野菜工場と障害者福祉を融合させたモデルケースをすすめ農福連携の推進と成功の支援を目指しています。